紫紺大先生2004年〜05年にかけて描かれた数少ない油絵を主体とした作品をご紹介します。
この作品は紫紺大先生が学生の頃に描いていた描きかけの油絵があり、それにアクリル絵の具でさらに描き加えて仕上げられた作品です。

この絵について、紫紺大先生は明確に言葉を残しています。
「これは夕焼けを描きたかったんじゃないよ。青い川を描きたかったんだよ。僕が描きたかったのは、あの青い川だけなんだ。」と。
「何十年ぶりに故郷に帰ってきて川だけは変わらなかった。
自分はぼろぼろでも、青い川、赤い夕焼けは変わらない。町を生き生きと描かない。なぜなら窓を描いてないから。窓からもれる明かりで、町の生活感を出したくないからだ。人は一人も歩いてない。」
この作品を鑑賞するにあたって、先生がいつも聴いていた曲があります。
「待ちわびる心」という韓国の曲です。
実際紫紺大先生は制作中、ジョン・チャヌさんの演奏するヴァイオリンの「待ちわびる心」を聴きながら、この作品を仕上げていきました。
この曲と作品について、先生はこう語っています。
「『待ちわびる心』という曲は、およそ1350年前の朝鮮の古詩の曲。
新羅の時代の朝鮮の夫が、船で日本に行って妻はずっとその帰りを待ってる。
結局何十年も待っていてその奥さんは岩になった。という話。
この絵の風景を見る人の心をあの川だけに集中させたいから、周りの風景を抽象的に描く・・・。
この絵の中の丘に立った人は、・・・ボーっと景色をみているんだろうな。
その人にとって、久々に帰ってきた故郷を見て・・・、川だけは懐かしいんだ。
例えば、北朝鮮に拉致されていた人が日本に帰ってきて故郷を見たら・・・、 こんな感じなんじゃないかな。」
あまりにも美し過ぎた夕焼けの風景には・・・、 秘められた痛いほどの哀しい思い出が 「待ちわびる心」という音色によって 絵に込められていったのかもしれません・・・。

新月紫紺大の原画が唯一観られるギャラリーです。
随時、新作を展示販売しています。
是非、八ヶ岳SHIKANDAIギャラリーに足を運んで下さい。
また、自然のガーデンに囲まれているので、四季折々の景色を楽しむことができます。